STORY
はじまりは
許可条件の一文から
トロリーバス誕生ストーリー
黒部ダムを国立公園特別地域内に建設する際の厚生省(当時)の許可条件に、「エ事用として建設される道路は工事竣工後はこれを公衆の利用に供すること」という一文がありました。そこで検討の結果、長いトンネル内に排気ガスが充満せず、環境にやさしいトロリーバスで旅客輸送を行うこととなりました。
トロリーバスを走らせるために必要な工事を行うため、多くの許可申請を行い、昭和38年に着工。工事は急ピッチで進められました。黒部川第四発電所管理事務所も発足し、運転と保守の要員養成を大阪市交通局で行い、昭和39年8月1日、運行が始まりました。当時は黒部ダムの竣工後の残工事の風景が見え、駅舎も簡素で、黒部ダムの観光ルートも現在とはまったく違うものでした。
トロリーバスは3代。
トロリーバスの車両は初代の100型から200型へと移り、平成5年から300型が登場。
1964年(昭和39)8月1日に営業運転を開始以来、54年間無事故で、61,624,737人ものお客様を運びました。そして2018年11月30日に最終運行を迎えたのでした。
後を引き継いだ電気バス
2019年からは、CO2を排出しない環境にやさしい電気バスが運行を開始。電気バスのデザインは、関電トンネルトロリーバスが運行開始から54年間無事故を継続してきた安全運転への強い思いと使命感が継承する思いを込めてデザインで踏襲しているものです。
電気バスは、ディーゼルバスからエンジンを取り外し、駆動用モーターおよびリチウムイオンバッテリーを4パック搭載しています。充電は車載パンタグラフ方式を採用し、1往復ごとに扇沢駅のホームにて約10分の超急速充電を行っています。