大町の水が育んだ「町」「酒」「食」の軌跡をたどる

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慌ただしい毎日から解放され、ふと旅に出たいと思った。
自然を感じられる場所でおいしい料理をゆっくり味わいたい。
いつもだったらガイドブックに載っている観光地を目指し、
みんなが知っているご当地グルメを食べ歩く。

そんな旅も悪くはない。

けれど、そのご当地グルメの先にあるストーリーを知ることができたら
その食事はもっとおいしく、旅ももっと色濃いものになるのではないだろうか。


美しい山々と清流に囲まれた大町市。
豊富な水源と自然の恩恵を受け、宿場町として発展してきた歴史ある町。

今回は大町の「水と人々の歴史と暮らし」をテーマに、水が育んだ食文化や町並み散策など
ルーツを知ることで見えてくる大町の新たな魅力を探す旅へお連れしたい。

ゴールにあるのはおいしい料理と旨い酒。
大町が育んだ「水」の魅力を体感できるツアーへ、いざ出発。

歩いて知る、大町の歴史を垣間見る水脈をたどる

写真:天気の良い日は町中に残る用水路をたどるコースも。商店街は屋根があるので雪や雨の日でも濡れることなく散策ができるので安心です

北アルプス、黒部ダム、仁科三湖をはじめ「水」にまつわる名所や名勝が数多く残る大町市。宿場町として栄えていた江戸時代、駅から続く本通りの中央には大きな水路が流れ、多くの住民の生活を支えていたと言われています。今でも商店街の歩道の下には用水路が流れており、耳を傾けると、地下を流れる水流音が聞こえてきます。
人々が暮らしていた名残ある風景に思いを馳せながら商店街を歩くと「男清水」「女清水」という名水スポットが点在していることに気がつきます。各家庭で飲まれている水道水が、ミネラルウォーターをも凌ぐおいしい水である大町市。市街地の本通りを中心に東側は女清水、西側は男清水を生活水として使っており、「水」を源に、さまざまな食文化が発展してきました。
飲み水としてはもちろん、おいしい水で育てた農作物はおいしく育ち、おいしい水で育ったおいしいお米とおいしい水を使ったお酒はさらにおいしく仕上がります。かつて水路だった道沿いに造り酒屋が多いのもその理由からだと言われています。
「大町の水がおいしい理由」を、実際に歩いて見て体験できることがこのツアーの醍醐味。案内人の儀間さんの話に耳を傾けつつ、駅から商店街までの各スポットを歩いて回ります。次はお楽しみ「水とお酒の飲み比べ体験」です。

飲んでわかる、おいしい「水」から生まれる銘酒の数々

写真:大町三蔵「市野屋」「白馬錦」「北安大國」の日本酒を飲み比べ。今回のプランは特別に6種類の飲み比べを楽しめます

日本酒の味は水で決まると言われるほど、酒造りにおいて重要な役割を担っている「水」。大町には厳しい基準をくぐりぬけた高品質の水を生かした日本酒を作る3軒の酒蔵があります。
1軒目は慶応元年創業の「市野屋」、当時の趣を今でも残す建物が目印の歴史ある造り酒屋です。現在も米洗いにはじまり、麹作りなどすべての工程を手作業で行っています。
2軒目は明治39年に作り出した「白馬錦」が有名な薄井商店。地元農家が作る米と水にこだわり、透明感ある味わいの日本酒を作り続けています。
3軒目は大正12年創業、2023年には創業100周年を迎える北安醸造株式会社。小さな酒蔵ですが代表銘柄は「北安大國(ほくあんだいこく)」のファンは多く、大町のおいしい水と大地が育んだ良質な酒米から生まれる味を守り続けています。

三蔵が使う仕込み水は、標高900メートルの場所にある「居谷里水源」に湧く「女清水」が主。大町の水は硬度20以下の超軟水とされますが、「女清水」の方が「男清水」より、さらに味がまろやかだと言われています。三蔵とも同じ水を使っていても、その味わいは三種三様。まずは「水」の味の違いを知るために水そのものの飲み比べを体験し、その後に酒を飲み比べて味の違いを楽しんでください。

食して感じる、「水」が育んだ郷土の味

写真:前菜3種、季節の小鉢、メインは「わちがいざざ」または大町銀嶺豚を使った「豚丼」のどちらかを選べます。デザートはさっぱりした「水ゼリー」に奇跡のりんごから作ったジャムが添えて

凛とした空気に体が冷え、そろそろお腹も空いてきたと感じるちょうど良い頃。最後はこのツアーのメインでもある食文化の体験、「創舎わちがい」で提供する郷土料理をいただきます。
室町時代からこの地に建つ趣ある空間の中で味わえるのは、大町の「水」から育まれた農作物の素材の味を生かした郷土料理のコース「塩の道 お祭りご膳 茂吉膳」。
海のないこの土地は日本海側から「塩の道」と呼ばれる道を通り運ばれた食材を使い、おもてなしの料理がふるまわれていました。「創舎わちがい」には当時のお品書きが書かれた古文書が残っており、当時の味を「塩の道 お祭りご膳」で再現。海藻のエゴ草を煮詰め、甘味噌を添えた前菜からはじまり、冬の寒さと昔ながらの知恵からなる保存食、凍み大根や塩丸いかと凍りもちを練って餡であえたおまんじゅうなどをコース仕立てでいただきます。
江戸時代に宿場町を訪れた客人が食した伝統の味を、当時の風景を思い浮かべながらゆっくり堪能する至福の時間。「水と人々の歴史と暮らし」を巡ってきたからこそ、料理の背景にある歴史を感じ、滋味深い料理一つひとつの深みが増すのではと思います。
時空を超えたすてきなおもてなしが楽しめるのもこのツアーならでは。身も心も満たされるひとときをじっくりお楽しみください。

町を歩き、歴史を知り、食文化をたどる----。
知れば知るほど、普段何気なく歩いている道、意識せず飲んでいる水、そして食している食べ物の深みや
ありがたみが増してきます。
四季折々、豊かな自然とともに育まれてきた大町の「水」の軌跡をたどる体験ツアー。大町を“歩いて知る” “飲んでわかる”“食して感じる”、特別なツアーをぜひお楽しみください。

創舎わちがい
住所 大町市上仲町4084
電話 0261-23-7363
営業時間 月曜日・水曜日〜日曜日
10:00-16:00(LO15:30)
定休日 火曜日・第4月曜日
料金 わちがいざざ膳 1,530円
大町銀嶺豚丼膳 1,650円
茂吉膳 2,950円
地酒 呑み比べ 800円〜

※ 1部屋1組様のご案内とさせて頂く為、予約制での営業としております。
(当日予約可)
関連サイト

大町の歴史・食文化を「創舎わちがい」で味わう まち歩きと地酒呑み比べ・お食事プラン

通常コース(まち歩き+呑み比べ・食事プラン) /おとな(1名様申込)7,500円/おとな(2名様申込)15,000円/おとな(3名様申込)22,500円/おとな(4名様申込)30,000円/おとな(5名様申込)37,500円/おとな(6名様申込)45,000円/おとな(7名様申込)52,500円/おとな(8名様申込)60,000円

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