仁科三湖のなかで最も広く深い「青木湖」。ハートの形をした湖としても知られ、湖底から出る湧水のおかげで、県下有数の透明度を誇る湖でもあります。

「ホタル鑑賞」といえば、河原や草原を思い浮かべる人も多いかもしれませんが、ここ青木湖にも、多くのホタルが生息しています。静かに澄んだ夜の湖で、ボートやカヌーに乗って見る湖上のホタル鑑賞。幻想的な夜の青木湖をご案内します。

湖上で味わう非日常のワクワク感

今回ホタルを見るため向かったのは、青木湖畔にある「青木湖キャンプ場&アドベンチャークラブ」。ネットや電話で事前に予約をし、当日は「センターハウス」でホタル鑑賞クルーズの受付を済ませます。いちばん早い便は19時から出ていますが、期間よって変動があるので申し込みの際に要チェック。時間帯によっては、特定の宿泊施設から送迎も出ています。書類に必要事項を記入したら、湖畔に移動してライフジャケットを受け取ります。

写真：事前にレクチャーがあるので、初めてのカヌーやボートでも安心。ベテランガイドと一緒に湖上散策に出発です

10人乗りのボヤージャーカヌーは、しっかり安定感のある作りで湖の上にいることを忘れるほどの乗り心地のよさ。

運が良ければ頭上に広がる星空と、澄んだ湖面にリフレクションするキャンプの明かりが幻想的な景色を見せてくれます。オールが水に当たる音も心地よく響き、ホタルが見られるスポットに向かう最中も、非日常のワクワク感が満載。小雨や夕立があった後や湿度の高い日はホタル鑑賞のチャンスで、クルーズは7月中旬から8月下旬まで行われています。

自然に溶け込み、五感で楽しむホタル鑑賞

青木湖で見られるホタルは、そのほとんどが「ヘイケボタル」。ピカピカと点滅する速度が早く、小柄な体が特徴です。ホタルは何より明かりが苦手なので、ケータイやカメラを使った写真撮影はNG。湖上散策の45分間は懐中電灯などの明かりを全て消し、お喋りなどの音も少し控えめに、真っ暗闇を進みます。

湖面に被さるように生える木々は、まるでクリスマスツリーのような輝きに。茂みの多い湾のなかなど、さまざまなスポットでホタルに出会えます。
四方を飛び交うホタルのなかを進むボートは、言葉に表せないほどの美しさ。地上に足をつけて見るときとは違い、自分も座ってふわふわ水の上を漂っている状態なので、不思議な一体感が味わえます。なかにはボートに沿って飛んでくれるホタルがいたり、差し出した手に止まってくれるホタルがいたり。時間を忘れて夢中になれること間違いなしです。

真夏の青木湖で思い出を彩る、とっておき体験を

クルーズは風や雷、雨が強いと中止になることもありますが、小雨は決行。夜の湖上は想像以上にひんやりしているので、参加する際には防寒具や雨具など羽織れるものを持参するのがおすすめです。なるべく身軽に動きやすく、濡れても大丈夫な靴や服を選ぶのもポイントです。お子様は3歳から乗船可能で、14歳までは保護者同伴のもと楽しむことができます。

青木湖ではこの他にも、日中のクリアSUPやBIGSUPをはじめ、カヌー、カヤック、マウンテンバイクなど、さまざまなアウトドア体験が行われています。レンタルやスクールも充実し、初めてでも安心して参加できるコンテンツの数々。朝から夜までたっぷり楽しめる夏のアクティビティで、マナーを守りながら、とっておきの思い出づくりはいかがでしょうか。