車がなくても、こんなに快適に旅ができる~
信濃大町駅を中心に運行している「ぐるりん号」を利用して、車なしで信濃大町・安曇野エリアを巡る日帰りモデルコースを体験してきました。
今回訪れたのは、安曇野ちひろ美術館、サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場内の「みずのわカフェ」、市立大町山岳博物館、そして長野県山岳総合センターでのボルダリング体験。アートに癒やされ、おいしいランチを楽しみ、北アルプスの自然を学び、体を動かしてリフレッシュする、充実の一日です。
「車がないと行きにくそう…」と思っていたスポットも、ぐるりん号なら移動はとてもスムーズ。実際に巡ってみて感じた、それぞれの施設の魅力と、公共交通で楽しむ旅の心地よさをご紹介します。
-
ぐるりん号とは?車なしで楽しめる信濃大町のデマンドタクシー
-
安曇野ちひろ美術館|絵を見るだけじゃない、心がほどける美術館
-
みずのわカフェでランチ&かき氷。芝生でのんびり過ごすひととき
-
市立大町山岳博物館で北アルプスの自然に出会う
-
初心者でも安心!大町山岳総合センターでボルダリング体験
-
まとめ|ぐるりん号なら車なしでもこんなに快適!
ぐるりん号とは?車なしで楽しめる信濃大町+安曇野の観光周遊デマンドタクシー
「車がないと観光は難しそう…。」
そんなイメージをくつがえしてくれるのが、信濃大町ぐるりん号観光周遊デマンドタクシーです。
ぐるりん号は、信濃大町駅を中心に、市内や周辺の人気観光スポットを結ぶ予約制のデマンドタクシー。運転を気にすることなく、景色を楽しみながら目的地へ移動できるので、車を利用しない旅行や一人旅にもぴったりです。
停車場所には、安曇野ちひろ美術館、市立大町山岳博物館、サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場、ラ・カスタ ナチュラルヒーリングガーデン、国宝仁科神明宮、大町温泉郷など、信濃大町・安曇野エリアを代表する観光スポットがそろっています。
利用方法も簡単。専用アプリで乗車日の4日前から予約でき、定時定路線の周遊バスと違い、希望する時間に指定した停車場所まで迎えに来てくれます。運行期間は2026年7月18日(土)から10月12日(月・祝)までの土・日・祝日で、8月10日(月)~14日(金)は特別運行。運行時間は8時30分から17時30分までです。
料金は1回500円、1日乗り放題券は1,500円。1日乗り放題券を提示すると、対象施設でお得な特典を受けられるのもうれしいポイントです。
今回私たちは、このぐるりん号を利用して、安曇野ちひろ美術館、サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場、市立大町山岳博物館、長野県山岳総合センターを巡るモデルコースを体験しました。
実際に利用してみて一番印象に残ったのは、「移動がとても快適だったこと」。道に迷う心配もなく、駐車場を探す必要もありません。次の目的地までの時間も景色を眺めたり、同行者と旅の話をしたりと、移動時間そのものが旅の楽しみに変わりました。
それでは、ぐるりん号で巡るおすすめモデルコースをご紹介します。
安曇野ちひろ美術館|絵を見るだけじゃない、心がほどける美術館
ぐるりん号で最初に訪れたのは、安曇野ちひろ美術館。
「美術館」と聞くと、静かな館内で作品をじっくり鑑賞する場所を思い浮かべる方も多いかもしれません。でも、ここ安曇野ちひろ美術館は少し違いました。
エントランスを入ると、平屋ならではの高い天井と大きな窓がつくり出す、明るく開放的な空間が広がります。自然光がやさしく差し込み、その場に立つと、肩の力がふっと抜け、気づけば歩く速度までゆっくりになる。
美術館の周囲に広がる安曇野ちひろ公園のトットちゃん広場からは、子どもたちの楽しそうな声がかすかに聞こえてきます。美術館なのに、どこか公園のようなあたたかさがある。その穏やかな空気に包まれていると、時間を忘れて、つい長居したくなってしまいます。
その秘密は、美術館が掲げるコンセプトの一つ、「絵を見なくても楽しめる美術館」にあります。
実際に館内を歩いてみると、その言葉の意味がよくわかりました。
館内には長野県産のカラマツ材が使われ、壁には高瀬川上流から運ばれた土を混ぜた珪藻土を使用。木のぬくもりとやわらかな質感に包まれた空間は、とても落ち着きがあり、ただいるだけで体の力がぬけてリラックス。まるで田舎の祖父母のおうちに帰ってきたようなちょっぴりなつかしい気持になります。
展示室だけでなく、窓から広がる景色を眺めたり、椅子に腰掛けてゆっくり過ごしたり。時間に追われることなく、自分のペースで過ごせる工夫が随所に感じられます。カフェの椅子は子供に合わせて低めにデザインされています。普段と違う視線の高さも、気持ちが変わるスイッチになっているのかもしれません。
いわさきちひろの作品も魅力的です。やわらかな水彩のにじみと子どもたちの豊かな表情。そっと寄り添ってくれるような作品にかこまれるだけで、大人になった今では忘れかけていた、無防備でまっすぐなまなざしや、小さな頃の記憶が静かによみがえってくるようでした。
印象に残ったのは、この美術館全体が「居場所」として設計されていることでした。
「作品を見終わったから帰る」のではなく、「もう少しここで過ごしたい」と自然に思える空間。
美術館というより、静かな森の中でゆったりと時間を過ごしているような感覚です。
安曇野観光で訪れるなら、作品鑑賞だけでなく、建物や公園、流れる時間そのものも楽しんでみてください。忙しい毎日を少し離れて、自分の時間を大切にしたい方にも、ぜひ訪れていただきたい場所だと感じました。
サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場|みずのわカフェで過ごす、心地よいひととき
安曇野ちひろ美術館でゆったりとした時間を過ごしたあとは、「サントリー天然水 北アルプス信濃の森工場」へ向かいました。
今回のお目当ては、工場見学だけではありません。工場に併設された「みずのわカフェ」でランチをいただき、食後には夏にぴったりのかき氷も楽しみました!
ランチのメニューは地元の食材を取り入れたホットドッグ。長野県産のキャベツが香ばしく味付けされて、たっぷりと入っていました。旅の途中にほっとひと息つけるやさしい味わい。暑い日に味わう、ふわふわのかき氷は工場でくみ上げられたサントリー天然水でつくられています。桃の果実とヨーグルトの酸味が絶妙で心も体もリフレッシュできました。
食事のあとは、広々とした芝生エリアへ。
敷地内には自由に遊べる遊具やシャボン玉が用意されていて、大人も思わず童心に返って楽しめます。青空の下、風を感じながらシャボン玉を飛ばしたり、芝生の上をのんびり歩いたりと、時間を忘れて過ごせる心地よい空間でした。
観光スポットを巡る旅では、つい次の目的地へ急ぎたくなります。でも、ここでは「少し立ち止まってゆったり過ごす」気持ちにふと切り替わる。山から下りてきた水がそうささやいてくれているからかもしれません。
おいしい食事を楽しみ、自然の中でゆっくりくつろぐ。
そんな贅沢なひとときを過ごせるのも、このモデルコースの魅力のひとつです。
サントリー天然水信濃の森工場
※工場見学は事前に予約優先制です。
市立大町山岳博物館|北アルプスの自然と歴史を知る
~伝説から思いをはせる、この土地の成り立ち~
大町市には、「龍と小太郎の伝説」が語り継がれています。
その昔、安曇野から松本平は大きな湖でした。
この湖に住む犀龍を母として生まれた小太郎は、ひとびとのために何かしたいと考えて、湖の干拓をおもいたちました。小太郎の願いを聞いた犀龍は小太郎を背中に乗せ、山清路の岩山を突き崩しました。湖の水は犀川となって日本海へ流れ、湖の底からはひろい平野が現れました。こうして現れたのが、現在の安曇野。人々は豊かな大地で田畑を耕し、小太郎とともに暮らすようになったと伝えられています。―「大町市史」ほかより
山岳博物館3F展望コーナーでは、眼前に広がる北アルプスを眺めることができ、この土地につたわる民話も絵本風の展示で読むことができます。2Fにおりてこの土地が地殻変動によって形づくられてきた様子を紹介する展示を見ていると、ふと、「もしかすると、この伝説は人々が実際の大地の変化を語り継いできたものなのかもしれない」とイメージがふくらんできました。
大町市の東側に位置するフォッサマグナ一帯は、はるか昔、本当に海だったことが地質学的に分かっています。2階の展示室では、実際の大地がどのような姿をしていたのかを、分かりやすい図や映像を通してイメージしながら学べるほか、山ごとに異なる種類の岩石も展示されており、それぞれの山がたどってきた成り立ちの違いを身近に感じることができます。人間の時間では到底追いつけないほど長い地球の歴史を、展示を通して分かりやすく知ることができました。
館内でもう一つ印象的なのが、この地域に生息する動物たちの展示です。
ニホンカモシカやツキノワグマ、ライチョウなど、この地に生息する生きものたちの剥製が、生き生きとした動きのあるポーズで展示されていて、まるで森の中に迷い込んだような気持ちになりました。
1階では、北アルプス登山の歴史や、大町が登山の拠点として歩んできた歴史をたどることができます。
この博物館を訪れたあとに北アルプスを見上げたら、あの谷間の向こうには龍がいてもおかしくない――。そんな気持ちになるのも、この土地ならではの旅の楽しみ方かもしれません。
手ぶらで気軽にボルダリング体験!長野県山岳総合センター
市立大町山岳博物館のすぐ隣にある長野県山岳総合センターでは、気軽にボルダリング体験を楽しむことができます。
シューズを貸していただけるので、特別な道具は必要ありません。観光の途中でも、手ぶらで立ち寄れるのがうれしいポイントです。
今回は、まずビギナー向けの壁に挑戦しました。
「意外と簡単かも?」と思っていたのですが、実際に登ってみると想像以上に難しく、思うように体が動きません。それでも何度か挑戦しているうちに、「次はどこに手を伸ばそう」「足はここに置くと登りやすいんだ」と少しずつコツが分かってきます。
そして、無事にゴールできたときの達成感は格別!
短い時間でも全身を使うので、気が付けばたくさん汗をかいていました。体を動かしたあとの爽快感は、旅の締めくくりにもぴったりです。
アートに触れ、自然や大地の歴史を学び、最後は自分の体を動かして楽しむ。
ぐるりん号で巡るこのモデルコースは、「見る」だけでは終わらない、大町ならではの体験が詰まった一日になりました。
まとめ|ぐるりん号なら車なしでもこんなに快適!
「大町は車がないと観光が難しそう」と思っていた方も、ぐるりん号を利用すれば、自然やアート、グルメ、アクティビティまで、一日でたっぷり楽しめます。
今回は安曇野ちひろ美術館から始まり、みずのわカフェでのランチ、山岳博物館、そしてボルダリング体験まで巡りましたが、どのスポットもぐるりん号を利用することでで無理なくアクセスできました。
運転の心配をせず、車窓から北アルプスの景色を眺めながらゆったり移動できるのも、ぐるりん号ならではの魅力です。
「車がないから」と大町旅行をあきらめる必要はありません。次の休日は、ぐるりん号に乗って、自分だけの大町の旅を楽しんでみませんか。

















